保健師のひとりごと

いのちの選択をどう支える?保健師が考える「未来の医療」と大阪万博のリアル

大阪・関西万博に行ってきました!

2025年大阪・関西万博。開催前は「大丈夫?」なんて声も聞こえていましたが…

行ってみたら、めちゃくちゃよかった!!

そして、保健師として、医療職として、母として、「これはお勧めしたい!」と思える体験がたくさんありました✨

にこいこ保健師が、当日行ったパビリオンは以下のもの。3日前に予約が取れたのは、カナダ館。あとは、当日予約か普通に並んで回りました。

1.シンガポール館 2.イギリス館 3.いのちの未来 4.フランス館 5.ブルーオーシャン 6.コモンズA 7.カナダ館  8.大阪ヘルスケアパビリオン

この中で,医療職として気になった内容のパビリオンは3つ.

イギリス館、いのちの未来、大阪ヘルスケアパビリオンです。

その中で、私が一番、感情を大きく揺さぶられたのが

「いのちの未来」パビリオン。

タイトルからして、医療職としては気になる…と思いながら足を踏み入れましたが、

想像以上のメッセージが詰まっていて、涙しました。今日は、その内容をお伝えしたいと思います。

「いのちの未来」パビリオンとは?|感情が揺さぶられる映像体験

🌱50年後の未来。祖母と孫娘の物語

展示の中心は、映像ストーリー。50年後の世界で、一緒に暮らす祖母と小さな孫娘のお話です。

両親は遠方に住んでいて、忙しくてなかなか会えない。そんななか、おばあちゃんが孫の夢をそっと応援してくれている——

孫の夢は「ダンサーになること」。

家の中で元気に踊る彼女の姿を、おばあちゃんがやさしく見守る日々。だけど、その夢を追う途中で、孫娘は足を怪我してしまいます。その結果、彼女は「人工の足(義足)」を装着することに。義足を装着しても、明るく前を向いて進む孫娘。それを支え続けた祖母。

終末期医療と未来技術|「いのち」をどう生き、どう終えるか究極の2つの選択

そして、物語の後半——年老いた祖母が、人生の終わりを迎えようとしています。

ここで提示されるのが、2つの選択肢。

「自然な死を迎えるか」

「アンドロイドとして、記憶と人格を残して“存在し続ける”か」

そうか。近い未来、アンドロイドとして生き続けるという選択肢が生まれるのか、、、ちょっと衝撃でした。

祖母自身は「自然に旅立ちたい」と感じている。けれど、孫娘は「おばあちゃんとずっと一緒にいたい」と願っている。

この2つの想いに挟まれながら、本人も、家族も、悩み、揺れ、選ぶ。

🌿これは医療職としても、避けては通れない問いだなと思いました。

今でも終末期において「延命治療をするかどうか」「胃ろうをするかどうか」など、ご本人・ご家族の意向を確認しながらケアを進めることがあります。

けれど、「アンドロイドとして生き続ける」という未来の選択肢が現実になったら?

いのちの終わりをどう定義するのか。

記憶と生の意味はどこにあるのか

“生きている”ってどういうこと?

目の前の対象者さんに、こんな選択肢を提示する日が来るのかもしれない。

そのとき、私たちはどんな言葉で説明し、どんな支えを提供できるのか。すごく難しい問題だなと思いました。

保健師・医療職に求められるこれからの「インフォームド・コンセント」

これからの医療・介護・保健では、いのちを支える選択肢がどんどん多様化していきます。

延命、在宅、尊厳死、認知症ケア…

それらに加えて、「記憶を残す」「姿をカスタマイズする」といったテクノロジーも加わっていく。

今のような「治療法の説明と同意」だけではなく、もっと複雑で、もっと深い「その人がどう生きたいのか、どうあるべきか」が問われ、選択していくことが必要になってくる。

👥だからこそ、医師や看護師、保健師、ソーシャルワーカー、ケアマネージャー、介護職など地域に関わる専門職みんなで、「これからの最期」について考えていきたいと思いました。

「アイデンティティ」と未来の身体のあり方|マツコアンドロイドの展示

別の展示では、マツコ・デラックスさんそっくりのアンドロイドが登場。

「容姿を自由にカスタマイズできる」世界が紹介されます。

例えば——

✔ 心の性と身体の性が一致しない人が、望む姿に変われる

✔ 外見にコンプレックスを持つ人が、自信を持てるようになる

そんな未来があってもいいと思う。でも一方で、自分というアイデンティティーが保てるのかなとも思いました。

人として生まれてきて、両親から引き継いだものが、気に入らなかったらカスタマイズして別人として生きていく。

外見にコンプレックスを感じ、生きづらい人は確かに大勢いると思います。私自身も、二重で大きな目に憧れたり、鼻筋の通った美人に生まれたかったなぁーと思います笑

でも、みんな北川景子みたいに美人になりたい!って思って、北川景子が量産されてしまったら、この世界はどうなるのだろう?

私は正直、「我が子のかわいい丸いほっぺや、つぶらな瞳が、あとから“変更”されてしまったら悲しいな…」と思ってしまいました。

🌈でも、それも含めて、「選べる」ということは、

それだけ自由と責任のある時代に生きるということ。

医療や保健・福祉が関わる「いのち」の世界は、これからもっともっと“哲学的”に、より“複雑化”していくのだろうと思います。

📣まとめ:保健師として、人として。感じたこと

「いのちの未来」は、単なる“未来技術の展示”ではなく、“生きること・死ぬこと・支えること”を問い直す空間でした。

どんなに技術が進んでも、そこにあるのは「人」と「人」の関わり。

そして私たち医療職は、その“人の選択”に寄り添う役割を担っているんだと改めて感じました。

医療職の方も、そうでない方も。このパビリオンは、ぜひ一度は体験してみてほしいです。

きっと、今を、今後をどう生きるか考えさせられる内容です。

さいごに

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