保健師のひとりごと

子どもにとって、母は私だけ。でも…もう笑えなくなってた。

こんにちは、にこいこ保健師です。

今日は、保健師として働きながら、2人の子どもを育てる母として経験した「しんどさ」と「気づき」について、素直な気持ちで綴らせてください。

※この記事は、過去に勤務していた職場での経験をもとに執筆しています。現在の職場や同僚の方々とは無関係です。また、あくまで一人の母として、保健師としての心の記録としてご理解いただければ幸いです。

 頼れる人がいない中で

保健師の同僚や友人の多くは、実家の近くに家を構え、祖父母の手を借りながら働いています。保健師の仕事は、虐待や災害など緊急対応が求められることも多く、いざというときに頼れる存在が近くにいることは、大きな安心材料になります。

でも、我が家は夫の実家も、私の実家も遠方。

近くに頼れる大人は誰もいません。

それに、コロナ前は夫も出張続きで、家事も育児も、いわゆる“ワンオペ”状態でした。

特に、第二子の育休明けは本当に毎日が嵐のようで…

朝から2人を保育園に送り出し、慌てて職場に向かい、復帰したばかりの慣れない業務に追われる日々。お迎えの時間ギリギリまで仕事をして、帰宅後はごはん・お風呂・寝かしつけ…その合間に洗濯機を回して、干して、明日の準備。

仕事に行っても、家に帰っても、ずっと働きっぱなし。毎日が時間との闘いです。

「母は私だけ」が背中を押していた

育休明けは時短勤務をしていましたが、業務量は正直それほど軽減されていませんでした。限られた時間の中で、終わらない仕事はどんどん積み上がっていって…。子どもを寝かしつけたあとは、個人情報以外の書類を家に持ち帰り、夜中の2~3時までやることも。(もちろん時間外手当はつかないので、サービス残業でした)

あるとき、緊急対応が難しいと相談した際に、上司からこう言われました。

「ベビーシッターを頼んだら?」

たしかに、手を借りる手段はあるかもしれない。

でも…

子どもにとって、“母”は私だけ。小さなこの子が、必要としているのは「私」。

私が産んだ子なんだから、私がしっかり育てないと

 仕事も手を抜けなかった

時短勤務でも、目の前の市民や地域のために、より良い支援は提供したい。任された仕事を中途半端にはできない。

そんな思いで、仕事も全力でやっていました。

子どもも大事。

仕事も大事。

どちらかを手抜きするなんてできない。

そうして、自分自身を追い込んでいきました。

 でも、ある日、笑っていない自分に気づいた

にこいこ保健師の名前の由来であるように、私は地域の人からよく「あなたの笑顔を見たら元気になる」 と言ってもらってきました。

でもある日、鏡に映る自分の顔に…笑顔がなかったんです。

朝は余裕がなくて、子どもに「早くして!」って怒鳴ってばかり。夜は子どもの寝顔に、「ごめんね」とつぶやきながら、一人で泣いていました。

ある朝、職場に行けなくなった

ある日、担当地区の方の緊急受診の同行が必要になったとき、保育園から「娘が発熱しました」と連絡が。

夫は出張中で不在。私が行くしかありませんでした。

事情を話すと、上司からは

「保健師として、緊急対応ができるように日頃から調整しておくべきじゃないの?」

という厳しい言葉が返ってました。

そのとき、心の中で何かがプツッと切れたような気がしました。

次の日、病児保育もいっぱいで、休みの連絡を入れるため電話を手に取ったとき、声が震えました。その翌日は、ようやく娘の体調も回復し、車で職場へ向かいましたが、途中で涙が溢れ、止まらなくなり、運転ができなくなってしまいました。

その日から、私は職場に向かうことができなくなってしまったんです。

「母だから」「支援者だから」って、全部がんばらなくていい

頑張ることが当たり前になっていたけれど、頑張りすぎて、自分が壊れてしまいました。

心も体も動けなくなってしまった私を支えてくれたのは、夫でした。夜も眠れず、日中もあまり動けなくなった私の代わりに、育児や家事のほとんどを引き受けてくれました。

「母だから」「支援者だから」「がんばるのが当たり前」

そんなふうに自分を縛っていたけれど、

誰かに頼っていい。

泣いてもいい。

休んでもいい。

そうやって自分をゆるすことができたとき、少しずつ、少しずつ、心と身体が回復していきました。

今日だけは、自分に“よくやってるよ”って言ってあげて

育児に、家事に、仕事に…

あなたも、毎日ほんとうによくがんばってる。

それを誰も見ていなくて、誰も褒めてくれないかもしれないけど、

あなた自身だけは知っていてほしい。

今日だけは、

「よくやってるよ、私」「えらいね、私」

って、優しく声をかけてあげてくださいね

最後に…

先日、娘がふとこんなことを言ってくれました。

「ママって、四つ葉のクローバーみたいだね」「え、どうして?」と聞いたら、

「だって、そこにいるだけで幸せな気分になるから」

びっくりしたけど、本当にうれしかった。(こんなに怒ってばかりのママなのに…ごめんね。って思いましたが😂)

完璧じゃなくていい。

誰かに頼ってもいい。

あなたの笑顔は、子どもにとって世界一の宝物です。

明日も良い一日になりますように。にこにこで行こう!

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