仕事の体験談

地域課題から地域資源づくりへpart2〜 高齢者サロンが繋いだ地域の絆〜

「孤独死を防ぐためには、地域のつながりが必要」

そう考えた私は、高齢者が気軽に集まり、見守り合える 高齢者サロン を立ち上げることを決意しました。(詳細は、「孤独死を防ぐために——地域課題から地域資源づくりへ」を見てくださいね👀✨

でも、そこには 想像以上の壁 が立ちはだかっていました。

「そんなの無理だよ」——全地区からの断り

高齢者サロンを立ち上げるには、地域の協力が不可欠です。そこで、各地区の自治会長や民生委員に相談しました。しかし、返ってきたのは 厳しい反応

「みんな高齢者だから、手伝える人なんていないよ」

でも、一度断られたくらいで 諦める私ではありません!防災会議や地域の集まりに顔を出し、 サロンの目的と必要性を何度も伝え続けました。すると、少しずつ地域のキーパーソンたちの考えが変わり、 ついに4つの小学校区すべてで高齢者サロンがスタート!

通い詰めた1年間——車片道で1時間半、往復3時間の道のり

サロンが始まってからの半年間は、毎月すべての会場を訪問し、困りごとの相談に乗りながら運営をサポート。

市役所から担当地区までの往復は 3時間 、サロンの時間も含めると 半日がかり 。でも、大変さよりも 参加者の笑顔 が何よりの私の力になりました。

つながりが生まれ、変わっていく地域の姿

最初は、「本当に人が来るのかな?」と不安もありました。

でも、ふたを開けてみると、サロンには次第にたくさんの人が集まり始めました。

「よう来たね」「また今度ね」

そんな風に、地域の人たちが自然に声をかけ合うようになったのです。70代の方が、「80歳のお姉さんも元気に来てるもんね」「私も頑張らないとね」という声や、「家にこもりがちだったんだけど、ここに来たらみんなに会えるから楽しみになったよ」と笑顔で話してくれる人もいました。

中には、サロンに誘われても最初はなかなか参加できなかった方がいました。でも、何度も近所の人が声をかけるうちに、「ちょっとだけ…」と足を運ぶように。それが次第に「また来るね!」に変わっていき、最後には 「ここに来ると元気になる」 という言葉が聞けるようになりました。

サロンは、ただの集いの場ではなく、 地域の人たちが支え合う場所 になっていったのです。

「あの人が来ていない」——地域で支え合う仕組みが生まれた瞬間

サロンを始めて1年が経ち、運営も落ち着いてきた頃のこと。ある日、参加者の方からこんな相談がありました。

「最近、あの人が来なくなった。様子を見てもらえない?」

気になり、地域包括支援センターの職員と一緒に訪問してみると…

その方は転倒し、足を骨折して家から出られなくなっていました。すぐに介護保険の申請をお手伝いし、必要なサービスにつなげることができました。もしサロンがなかったら、この方の変化に気づくことができなかったかもしれません。

地域の中で「お互いに声をかけ合う」「気にかける」仕組みが、自然と生まれていたのです。

退職の日——にこいこ保健師の原点

私は、その市を結婚を機に退職することになりました。サロンの皆さんに退職することを伝えると「最後のサロンには絶対来てね!」と言っていただき、全てのサロンでお別れの時間を過ごしました。

「あなたの笑顔が大好き。これからもその笑顔でみんなを元気にしてね。」

そう書かれたメッセージカードと花束をいただいたとき、思わず涙がこぼれました。

大変なこともたくさんあったけれど、

「笑顔でいれば、こんなに嬉しい言葉がもらえるんだ」「誰かに元気を届けることができるんだ」

そんな思いから、楽しいことばかりではなくても、笑顔で地域の人達のために頑張っていれば、きっとみんなの健康や笑顔に繋がる!と信じて、保健師として活動しています。

「明日もニコニコ笑顔で行こう!」を略して 「にこいこ保健師」 という名前の由来につながっています。

その後も続いていく、高齢者サロンの物語

退職してからしばらくして、職場を通じてサロンの皆さんから年賀状が届きました。

「みんな、元気に頑張ってるよ!」

そんなメッセージとともに、楽しそうな写真が添えられていました。

後輩の保健師が引き継ぎ、お世話役の方々が世代交代しながらも、サロンは今も元気に続いているそうです。自分がいなくなっても、地域資源として続いていく・・・それはとても嬉しく、保健師としてのやりがいに繋がるものです。

保健師の仕事は無限大!「なんでもできる」に変えていこう

保健師の仕事は、個別の支援も大切だけれど、その支援を通じて 地域の課題を見つけ、施策につなげていくことが重要 です。

今回のサロンのように、地域の人たちが支え合える仕組みを作ることができれば、地域全体の力が育ち、健康で安心して暮らせるまちづくりにつながります。

保健師の仕事は、健康にまつわることは「なんでもさせられる」ではなく、「なんでもできる!」そう思えたとき、保健師の可能性は無限に広がっていくはず。

このブログを読んでくれた皆さんは、どんな「保健師像」を持っていますか?

いつか、みんなの考える「保健師とは?」を聞いて、それを形にしてみたいなと思っています。

明日も良い1日になりますように!にこにこ笑顔で行こう!

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