保健師として対象者を支援するなかで、「なんだか壁を感じる」「なかなか支援がうまく入れない」と悩むことはありませんか? 特に新任期の保健師の方から、こうした相談を受けることがよくあります。
私自身も、行政に対して抵抗感のある方へのアプローチに悩んだ経験があります。しかし、試行錯誤の末に効果的だった方法がいくつかありました。今回は、支援がうまく進まないときに試してほしい5つの方法をご紹介します!
1. 「大丈夫?」と聞かない
つい「大丈夫ですか?」と尋ねてしまいがちですが、人は、「大丈夫ですか?」と聞かれると、大丈夫ではなくても「大丈夫です」と答えてしまう生き物です。
その「大丈夫」を鵜呑みにして報告すると、上司から「何が大丈夫だったの?」と突っ込まれることも……(苦笑)。
では、どう聞けばよいのか?
「しんどそうに見えるけど、夜は眠れてますか?」
「産後はホルモンバランスが崩れやすくなってイライラしやすくなる人も多いけど、いかがですか?」
といった具体的な聞き方に変えるだけで、より本音を引き出しやすくなります。
2. 「昨日1日何をしていたか」を聞く
質問しても「はい」「いいえ」だけで終わってしまい、なかなか話が広がらないことはありませんか? そんなときにおすすめなのが、「昨日1日の過ごし方」を尋ねる方法です。
この方法は結構効果的!!
「何時に起きて、何を食べましたか?」「日中はどのように過ごしましたか?」
このように具体的に聞くことで、対象者の生活が見えてきます。それにより、その人が大切にしていることや、抱えている課題が浮かび上がることも。
例えば、「夫の帰りが遅いので、子どもを1人で見ながら家事をしている。夜もよく眠れない」といった話が出れば、育児負担の大きさや睡眠不足の問題が明確になり、支援の糸口が見えてきます。
3. いちいち了承を得ない
行政職員は個人情報保護の観点から「〇〇しても良いですか?」と同意を取る場面が多いですが、これが逆に支援の妨げになることも。
支援を断られるかもしれない。でも、継続支援が望ましい対象者に対しては、例えば、「訪問してもいいですか?」と聞いた際に「いやー」と断られてしまうと、次に踏み込むのが難しくなりますよね。
では、どうするか?
「〇〇のことが心配なので、近くに寄ったついでにまた伺いますね!」
このように“宣言”する形にするのがコツです。よほどの理由がない限り、「嫌です」とは言われません。これは、ある先輩保健師から学んだ技ですが、連絡が取りにくい方や約束を取り付けることが難しい方には特に有効です。
4. 沈黙を恐れない
人には、必要な「間」というものがあります。私も、若いころは、この「間」が怖くて自分からどんどん話をしてしまっていました。しかし、沈黙の時間は対象者にとって、考えを整理する大切な“間”かもしれません。沈黙をしていたとしても、少し待ってみて相手が話をしたいことは何なのか考えてみる、それでもどうしても返答がない場合は「こういうことですかね?」と聞いてみると「そうそう」って言ってくれる時と「いやー、〇〇で」と違う解釈の時は、話をしてくれることがあります。
5. どちらを選んでも良い選択肢を提示する
支援者として、対象者にはより良い方向に進んでほしいと思うもの。しかし、支援者側の意見を押し付けすぎても、相手を尊重しすぎて何も変わらなくてもいけません。
そんなときは?
どちらを選んでも良い方向に進める選択肢を提示しましょう。
例えば、
「〇〇(サービス)を使ってみるのもいいし、〇〇(相談先)に行ってみるのも良いですよ」
のように、良い方向に進む選択肢を相手に提示するのです。対象者の人は、選択肢の中から自分で選ぶので、自分で選んだことは、比較的行動に移してくれます。どっちを選んでも、悪い方には進まないので、支援者としても結果オーライです😄
この方法を実践するには、支援者側も幅広い知識や選択肢を持っていることが大切。日々の勉強や情報収集、経験を積むことが重要になります。
最後に、支援者として大切にしてほしい心構えがあります。
それは、「この人、難しいな……」と感じても、決して諦めないこと!
「苦手だな」と思うと、無意識のうちに自分も壁を作ってしまいがち。だからこそ、まずは支援者側の心の壁を取り払い、「何とか相手を理解したい」「支援したい」という姿勢を持ち続けることが大切です。
そして、笑顔で接すること!
支援がうまくいかない日もあります。でも、大切なのは明日も笑顔で対象者に向き合うこと。あなたの姿勢や関わり方が、少しずつ相手の心を動かしていきますよ。
明日も良い一日になりますように。にこにこで行こう!