仕事の体験談

「孤独死」を防ぐために—— 地域課題から地域資源づくりへ

「私にできることは何だろう?」

そう考えたとき、真っ先に浮かんだのは “人と人とのつながり” でした。

お互いに見守り合える関係ができれば、孤独死を減らすことができるかもしれない——そう思ったのです。

高齢化率42%の町で見えた課題

私が担当する地区は 高齢化率42% 。

2人に1人が高齢者というこの地区では、4つの小学校区が集まって1つの中学校区になっていました。第3次産業よりも、農業や漁業が盛んな地域で、高齢者になっても仕事を続けている方が多いのが特徴でした。

しかし、 仕事以外で人が集まる場がほとんどなく、段々と地域住民の関係性が希薄化している という課題がありました。

「どうすれば、地域の人たちが自然に集まり、支え合える場所を作れるだろう?」

そこで私は “高齢者サロン” を立ち上げることを考えました。

「小学校区ごとにサロンを!」——しかし現実は厳しかった

この市には、そもそも 高齢者サロンという仕組み自体がありませんでした。

最初に上司に相談すると、「まずは中学校区に1つ作ってみたら?」 と提案されました。

確かに、4つの小学校区で同時に立ち上げるのは大変です。でも、それでは 遠方の人が通えない 。

私は思い切ってこう伝えました。

「小学校区に1つずつ、住民が身近に集まれるサロンを作りたいです。大変かもしれませんが、やらせてください!」

すると上司は少し考えた後、「わかった。サポートするよ」と背中を押してくれました。

しかし、実際に動き出してみると、大きな壁が立ちはだかりました——。

「そんなの無理だよ」——地域の壁にぶつかる

それぞれの小学校区には 自治会長が強い影響力を持つ地区 もあれば、民生児童委員が主導している地区 もありました。まずは、その地域ごとの キーパーソン に相談し、高齢者サロンの必要性を伝えました。

しかし、返ってきたのは予想以上に厳しい言葉。

「みんな高齢者なんだから、そんな手伝いができる人なんていないよ」

どこの地区でも、ほぼ同じ反応で、断られてしまいました。

でも、 一度断られたくらいで諦める私ではありません!(笑)

地域の健康教育の場や防災対策の会議、地区民協の集まりなど、あらゆる機会を捉えて何度も足を運びました。そして、次のことを伝え続けました。

「高齢者サロンに参加する人も、お世話する人もみんなサポーターであり、参加者でいい」「来た人みんなが、自分ができることをやる!それが介護予防にも繋がり、お互いの見守りから地区の課題である孤独死を少なくすることにつながっていきます」

ついに高齢者サロン養成講座が動き出す!

何度も伝え続けた結果—

自治会長や、民生児童委員の会長さん達に熱意が伝わったのか根負けしたのか(笑)

「とりあえずサロンサポーター養成講座をやっていいよ」と4つの小学校区全てで行えるようになったのです!

講座では、最初に 「ここでは誰も“お客さん”じゃない」 ことを伝えました。

参加者全員が、自分にできることを無理なく続けることが大事。

「歌が得意」「小物作りができる」「手品を披露したい」

——そんな得意なことを出し合い、みんなで サロンの形を作っていく ことにしました。

サロンは 週1回 開催することを目標にし、特別なことをしなくてもいい。ただ 集まり、笑顔で会話するだけでも十分 。それが 「地域で支え合う仕組み」 になっていくことを伝えていきました。

そして、いよいよ 高齢者サロンがスタート!

次回は、高齢者サロンの実際と、サロンがもたらした効果についてお届けします!

地域課題と向き合った時に、あなたは何をしようと思いますか?

保健師として、地域でできること、一緒に考えてみませんか?

明日も良い1日になりますように。にこにこで行こう!

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