仕事の体験談

「保健師の仕事で感じたやりがい」〜初めての成功体験と心温まる出会い〜

こんにちは!今回は、保健師1年目の時に出会った一人の男性とのエピソードをお話しします。この出会いは、私が保健師としてのやりがいを初めて実感した特別な出来事で、その後の保健師としての仕事の向き合い方にとても影響を与えたエピソードです。

「若造に何ができる?」

ある男性(60代)に特定保健指導をすることになったのは、私が町役場に就職してしばらく経った頃のこと。初対面での態度はとてもわかりやすく、「こんな若い子に何がわかるんだ」といった雰囲気が漂っていました。

でも、私は負けません!笑

まだ経験も浅く自信もなかったけれど、看護師長さんに言われた「専門職としてもっと誇りを持ちなさい」という言葉が背中を押してくれました。「とにかく笑顔で粘り強く!」それだけを心がけていました。

最初の面談では、健診結果を一緒に見ながら「これからどうしていきたいですか?」と聞きましたが、返ってきたのは「まあ、肥えてきたけどそんなに悪いのか?」「好きなように暮らせればそれでいい」という言葉。どこか突き放したような雰囲気でした。

人生の目標を一緒に見つける

そこで私は「この人が本当に大切にしていることは何だろう?」と考えました。

話を聞いていくと、彼には2人の社会人の子どもがいて、将来孫ができたら一緒に遊びたいという夢があることがわかりました。また、退職後に地元の歴史文化博物館でボランティアを始めており、それを続けていくことが楽しみだとも話してくださいました。

「元気でボランティアを続ける」「孫と遊ぶ」――この2つの目標を一緒に確認しながら、「そのために今から少しずつ健康的な生活をしていくためにはどうしたら良いか」と観点で保健指導を行いました。彼の表情が少しだけ柔らかくなった瞬間でした。

笑顔でアプローチ!

彼の日常生活を詳しく伺い、できることから始める計画を一緒に立てました。

•食事

お米が大好きな彼は、朝夕は奥様が作った食事をしっかり食べていましたが、昼はスーパーの弁当が定番。そして缶コーヒーを1日4~5本飲むのが習慣でした。私は缶コーヒーに含まれる砂糖の量や、果物に含まれる果糖は血糖値が上がりやすいことなどを説明しました。すると、彼自身で缶コーヒーは無糖に変えることや、食後の果物を朝食後だけに減らすと計画を立てられました。

•運動

運動が苦手だった彼ですが、日常生活に運動を組み込むことができないか一緒に考えました。自宅近くの本屋には、車でよく行っていると話していたため、車ではなく歩いていくことを提案。「まあ、歩けない距離じゃないな」と前向きな反応をしてくれました。

•飲酒

毎晩の晩酌が楽しみで、ビール2本と焼酎3~5杯が習慣になっていました。私は休肝日を作ることを提案。しかし、「飲むことは習慣になっているから、これだけはやめることは厳しい」と言われたため、ここは無理強いせず、他にできるところから始めましょう!!と伝えました。

「保健指導」について

「保健指導」と聞くと保健師側として、「指導」しなくては‼️と思ってしまいがちですよね??私は、この名前自体変えたいなぁーと思っている一人です。どんな生活をおくっていくのか決めるのは、対象者の方であって、保健師はその決定がより健康的なものに導けるような助言や提案をしていきます。一緒に立てる計画についても、相手が自分で立てて実現可能なものでないとあまり意味がないと考えています。

6か月後の大きな変化

最初は渋々だった彼ですが、毎月面談を続けるうちに徐々に変わっていきました。「今日は歩いて本屋まで行ってきたよ」「缶コーヒー、無糖にしたよ」など、小さな成功を嬉しそうに報告してくれるようになったのです。

途中で「ついつい食べすぎた」「飲みすぎた」なんて報告もありましたが、それでも彼は着実に努力を続けました。なんと自発的に、市民プールで水中ウォーキングも始めたのです!

そして6か月後。測定の結果、体重はマイナス5kg、腹囲はマイナス7cm。最初は乗り気でなかった彼が、ここまで頑張ってくれるなんて!自分のことのように嬉しく、涙が出そうになったのを覚えています。

感謝の手紙

しかし、そのタイミングで私自身が退職することになりました。祖父が倒れ、家族の介護を手伝うため実家に戻る決断をしたのです。最後の面談の日、彼にそのことを伝えると、驚きながらも「こんなに自分の体を気にかけてくれて、本当にありがとう」と言ってくださいました。

さらに帰り際に手渡されたのは、一通の感謝の手紙。「あなたがいなかったら、自分は何も変えられなかったと思う。本当にありがとう。」その言葉に、思わず涙が溢れました。

年賀状で続くつながり

退職後も、十数年彼とは年賀状で近況報告が続きました。「今年も元気にガイドやってます」「孫が大きくなってきました」「体調も良好です」といった報告が届くたびに、胸がじんわり温かくなります。

保健師の仕事は「寄り添うこと」

この経験を通して学んだのは、保健師の仕事は「健康を押し付けること」ではなく、「相手に寄り添い、一緒に未来を考えること」だということ。相手のことを想い、一生懸命関わることで、その方の健康的な生活に向けたお手伝いができる!とわかりました。保健師としての、初めての成功体験と人に感謝してもらえる仕事に出会えたことの嬉しさや、喜び、やり甲斐を感じた出来事でした。

このエピソードが、明日からまた保健師として頑張ろう!と思える気持ちを届けられたら幸いです。そして、健康づくりの一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

明日も良い一日になりますように。にこにこで行こう!

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